○○事務所
なぜ従業員との間に労使トラブルが絶えないのか?
それは就業規則をきちんと作成し運用していないからです。
就業規則に関係する典型的な6つトラブル事例とは?
 就業規則が会社になかったか、またはいい加減な就業規則のせいで、会社がリスクを負うことになったケースが次の6つです。
 <ケース1> 社員の残業に対して、必要以上に残業を支払っていた
 <ケース2> 社員の休日出勤に対して、休日出勤手当が法的に不要なのに支払っていた
 <ケース3> 休日と休暇の違いがわからず区別しなかったために、割増賃金の単価が高額になってしまった
 <ケース4> 定期昇給しか記載していない規定であったため、降給ができなかった
 <ケース5> 退職金の支給規定が不備だったために、支払いたくない社員に退職金を不支給にできなかった
 <ケース6> 適用範囲を明確にしなかったために、パート・アルバイトにも正社員と同様の権利が発生した

 どうですか?貴社で心当たりはありませんか?

 それでは、それぞれの具体的なケースについて、説明していきましょう。

<ケース1> 必要以上の残業代を支払っていませんか?
 労働基準法では、1日8時間を超えて働かせた分に関しては、2割5分増しの割増賃金を支払うことを規定していますが、この1日8時間という「法定労働時間」と社内で規定する「所定労働時間」とは異なります。

 たとえば、始業時刻9時〜終業時刻5時で休憩が1時間の(12時〜1時)の会社があったとします。
この場合は「所定労働時間」が7時間ですよね。それでは、7時まで2時間残業した場合は割増賃金は2時間分支払わなければならないのでしょうか?
 
 答えは・・・これは就業規則にそう規定していれば支払わなければなりません。
。「法定労働時間」の観点からいうと8時間を超える部分の1時間の割増賃金で大丈夫なのですが、就業規則で「所定労働時間」を超える部分について割増賃金を支払う旨の規定があれば、2時間分の割増賃金を支払わなければなりません。

 <時給2,000円の社員が1日1時間20日残業したケース>
 @就業規則に「所定労働時間」を超える部分について割増賃金を支払う旨の規定がある場合
 2,000円 × 125% × 20時間 =50,000円
 A労働基準法に従う場合
 2,000円 × 100%(割増なし) × 20時間 =40,000円

 (@-A) × 12ヶ月 =120,000円

 何と年間で120,000円もの法的に支払う義務のない残業代を支払っていることに!

 この会社に10人の従業員がいたら・・・1,200,000円!
 これに労働保険料や社会保険料の負担額も増加します。

 早速、自社の就業規則の内容を確認し、もし「所定労働時間」を超える部分について割増賃金を支払う旨に規定されているようであれば、大至急見直し・改正しましょう。
 

 貴社のケースについて問題がないかどうか、就業規則の専門家が診断致します。
残業代に関する就業規則の見直し・改定は、info@shugyokisoku.comまで、お気軽にご相談下さい。

<ケース2> 不要な休日出勤手当の支払をしていませんか?
 今は中小企業でも週休2日制がかなり浸透していますが、この休日は労働基準法が定める「法定休日」と社内で定める「所定休日」に分かれるのです。実は労働基準法では休日は「1週間に1日付与すればいい」という規定になっています。

 休日に社員を出勤させた場合、3割5分増しの割増賃金を支払わなければならない、と認識している会社様が多いのですが、この3割5分増しの割増賃金を支払うことを労働基準法で求めているのは、「法定休日」に労働させた場合だけです。

 ここで整理をしておくと、週1回または4週に4日の休日を付与することを会社は義務づけられていますがこれを「法定休日」といい、それ以外の休日は法律で求められている休日ではなく、会社が独自に決めた休日ということでこれを「所定休日」といいます。

 この「法定休日」以外の「所定休日」に労働させた場合は、通常の時間外労働と同じ割増(2割5分増し)でいいのです。

 週に1日か4週に4日の休日を与えれば、法的には問題がないのです、そう考えると3割5分増しの休日出勤手当を支払う場合って、そんなにないと思いませんか?


 早速、自社の就業規則の内容を確認し、もし「法定休日」を超える部分について割増賃金を支払う旨に規定されているようであれば、大至急見直し・改正しましょう。

 貴社のケースについて問題がないかどうか、就業規則の専門家が診断致します。
休日に関する就業規則の見直し・改定は、info@shugyokisoku.comまで、お気軽にご相談下さい。

<ケース3> 社員に良かれと思ったことが・・・割増賃金単価のアップに
 会社としてはやみくもに割増賃金の単価を上げたくないですよね?

 しかし、社員のためによかれと思ったことが、思わぬ結果を生み出したりする場合があります。
 それが「休日」を増やすことなのです。

 休みには2種類あることをご存知でしょうか?実は休みには「休日」と「休暇」の2種類があります。
「休日」はそもそも労働義務がない日のことを指します。
「休暇」は本来は労働義務があるのだけれども会社でその労働義務を免除する日のことを指します。
「休暇」は簡単にいうと元々は出勤すべき日なのですが、出勤しなくてもよいと会社が認めている日のことで、年次有給休暇もこれに含まれます。

 残業の時間単価を計算する際には、年間の賃金を年間の所定労働時間で除算して求めるので、所定労働時間が減少すれば、必然的に残業代の単価が上がってしまいます。
 ということは、やみくもに「休日」を増やすと、それだけ年間の所定労働時間を減らしてしまい、その結果残業代の単価が上がってしまいます。
 「休暇」は元来労働義務のある日ですが、その労働義務を会社が免除しているだけですので、年間の所定労働時間に対して影響を与えないのです。ゆえに「休暇」を増やしても残業代の単価には変化がないのです。

 貴社では「休日」と「休暇」の使い分けがきちんとできていますか?

 いわゆる「夏季休暇」や「年末年始休暇」を「休日」扱いにしていませんか?
「祝祭日」についても、「休日」か「休暇」かどちらに規定するかで、残業代の単価は大きく変わっています。

 早速、自社の就業規則の内容を確認し、もし「休日」が多いようであれば、大至急見直し・改正しましょう。

 貴社のケースについて問題がないかどうか、就業規則の専門家が診断致します。
割増賃金に関する就業規則の見直し・改定は、info@shugyokisoku.comまで、お気軽にご相談下さい。

<ケース4> 今の就業規則では業績が悪くても降給はできない?
 高度成長時代やバブル経済時代と違って、、今は右肩上がりに社員の賃金を簡単に上げることはできないですよね?
 そのため、業績連動型の賃金体系を導入する企業も多くなってきています。しかし、実際は今だに年功序列型の給与体系を維持している会社様も少なくありません。

 就業規則に昇給のことしか記載しておらず、降給について何も触れられていなければ、会社の業績が悪いからといって、おいそれと社員の賃金を下げるわけにはいかないのです。

 就業規則の賃金規程によくあるのが、次のような記載です。

 第○条(昇給)
 昇給は基本給を対象に毎年4月に社員各人の勤務成績を査定して決定し、当月から支給する。ただし、各人または会社の業績によっては、昇給の額を縮小し、または見送ることがある。

 これでは昇給を見送ることができても、今まで以上に賃金を下げることはできません。現状維持は必須になってしまいます。

 労働者に対し賃金を削減する等の現状の労働条件を下げる(労働条件の不利益変更という)場合には、原則その労働者の同意が必要になります。だから会社の業績が悪いからといって勝手に賃金を下げる訳にはいかないし、これは法的にも非常に難しい問題をはらんでいます。

 しかし、放置しておいたら毎年賃金を上げていかなければなりません。まずは就業規則の見直し・改定から始めましょう!

 貴社のケースについて問題がないかどうか、就業規則の専門家が診断致します。
昇給・降給に関する就業規則の見直し・改定は、info@shugyokisoku.comまで、お気軽にご相談下さい。

<ケース5> 問題があった社員にも高額の退職金を支払わなければならないの?
 まず次の判例を読んで下さい。

 原告は、連合会が原告を懲戒解雇する前に退職している以上、懲戒解雇が無効であり、連合会に懲戒解雇に相当する事由がある者に対して退職金を支給しない旨の規定が存在しないから、退職金不支給の事由があるということはできない。(部落解放大阪府企業連合会退職金請求事件 平成14年 大阪地裁)

 これはたとえば、ある経理社員が自主退職しその後に会社のお金を横領していたことが発覚、その横領について懲戒解雇に処し退職金も不支給にしようと思っても、それは自己都合退職が成立してしまった後だから懲戒解雇が無効で、それゆえに退職金不支給にはできない、ということです。

 このような問題を起こした社員であっても、きちんと就業規則に規定していないと、退職金を支給しなければなりません。会社としては、問題を起こして去っていく社員に高額の退職金を払うのだったら、払わないでおいて、今頑張っている社員のボーナスにでも上乗せしてあげたいというのが心情ではないでしょうか?

 早速、就業規則の退職金不支給の理由について確認し、問題があるようでしたら見直し・改正をしましょう。

 貴社のケースについて問題がないかどうか、就業規則の専門家が診断致します。
退職金に関する就業規則の見直し・改定は、info@shugyokisoku.comまで、お気軽にご相談下さい。

<ケース6> パート・アルバイトも正社員と同じ権利が?
 突然ですが、貴社ではパート・アルバイトを雇用していますか?
昨今は多くの企業でパート・アルバイトといった非正社員を雇い入れており、また非正社員の活用が企業の業績を左右すると言っても過言ではありません。

 それではパート・アルバイト用の就業規則はきちんと策定されていますか?
もしかしたら、正社員用の就業規則の中にこれらの方は包含され対象になっていませんか?

 そうだとするとパート・アルバイトといった非正社員も正社員と同様の権利を保有することになります。退職金支給や慶弔見舞金、結婚休暇といった特別の有給休暇などを要求されると、規定どおり与えなければなりません。

 後でトラブルにならないためにも、就業規則で適用範囲を定めているか、また非正社員用の就業規則を策定しているか、早速確認してみましょう。


 貴社のケースについて問題がないかどうか、就業規則の専門家が診断致します。
パート・アルバイトに関する就業規則の見直し・改定は、info@shugyokisoku.comまで、お気軽にご相談下さい。

上記を読んでもなかなか素人ではわかりにくいはず。下手に改正するとかえってとんでもないことに!
何からてをつけてよいかわからない、どう書き換えればいいのかわからない等、そういった時は迷わず専門家に相談を!
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